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ここ数年チームビルディングという言葉が注目されています。チームビルディング自体は昔からある概念なのですが、近年はより理論的にチームビルディングを突き詰め、明確な目的を持ってチームビルディング強化に励む組織が増えています。
そこでこのページでは、チームビルディングを強化し、組織のパフォーマンス、メンバー間のつながりを向上させる方法を解説します。
そもそもチームビルディングとは?
チームビルディングとは、組織のパフォーマンスを向上させるための取り組みを指します。具体的には、ゲームやイベントを通してチームビルディングを行うこともあれば、仕事を通してチームビルディングを行うこともあります。
チームビルディングは概念としては抽象的ですが、いくつか重要なポイントがあります。
チームビルディングを成功させる方法
チームビルディングという用語は上で説明した通り抽象的で、目的、流れを明確にしないと的外れなことをしてしまう可能性があります。そこで、チームビルディングを成功させるために必須の要素について解説していきます。
目的の明確化
チームビルディングを向上させるための方法は様々で、一見遊びのように思えることでもチームビルディング向上につながります。ただしこれには必須条件があり、それは目的を明確化させることです。
企画者はもちろん、チームビルディングのための活動に参加するメンバー一人一人も明確に目的意識を持たなければなりません。目的意識を持たないまま何かしても、本当にただの遊びで終わってしまいます。
たとえば意識次第ではサッカーなどの団体スポーツもチームビルディングに役立ちます。なぜなら一人一人の役割を明確にし、チームで目標に向かって動く過程はまさにチームビルディングそのものだからです。
しかし何も意識せずに単に遊びとしてゲームをやってしまったり、または一人得意な人がいてその人がほとんど一人でゲームを作ってしまうと、チームビルディングに役立ちません。
チームビルディングという目標を意識して、きちんとコミュニケーションを取ってチームプレイを行うことが重要なのです。
人間関係の良好化
仕事と人間性は別、業務をこなしていればそれで良い、といった意見もわかります。しかしある程度人間的に信用できる相手でないと、ビジネスパートナーとしても厳しいものがあります。チームビルディングにおいて人間関係の良好化も重要な要素です。
チームビルディングのための活動は多岐に渡りますが、どれも基本的にはチーム内でコミュニケーションを取り、チームで動く必要があります。そうでないとチームビルディングには結び付かないでしょう。
そのためチームビルディングの過程でメンバー間に絆が生まれやすいのです。
役割の明確化
チームビルディングにおいて助け合い、互いのサポートは重要です。しかし役割や責任の所在を曖昧にするのとは意味が違います。一人一人の役割と責任は明確化した上で、お互いに足りない部分を補い合っていくのです。
ラグビーやサッカーのようなスポーツをイメージするとわかりやすいでしょう。選手はそれぞれ助け合っていますが、大前提として一人一人ポジションが与えられていて、役割が明確化していません。
当然うまく機能していない選手がいるとそこが弱点になります。チームビルディングにおいて助け合い、協力プレイは必要不可欠ですが、個人の役割を果たす意識も忘れてはいけません。
仕事で言えば、自分の役割、責任を放棄して人に押し付けるようなことはNGです。
単にコミュニケーションを取れば良いわけではない
チームビルディングは組織作りの側面が強いため、コミュニケーションを円滑にするだけでは目的を達成できていません。連携のプロセス等も明確にしていく必要があるのです。
上でスポーツの例を挙げましたが、みんなが仲良くて、助け合いの精神を持っているだけではダメです。昔サッカーの本田圭佑さんが「個の力」という言葉を言っていましたが、個の力を高めた上で協力するからこそ大きな力になるのです。
モチベーション管理も無視できない
組織の中で評価体系が明確になっていれば良いのですが、完全な評価体系を作ることは難しく、また制度がすべてではありません。人間には承認欲求や、苦労を労われたい気持ちがあります。チームビルディングにおいて、互いが互いを褒め、励ますような雰囲気作りは欠かせません。
役割、責任を果たすために互いにミスをきちんと指摘する、改善点を一緒に考える、といったことは重要です。しかし成果に対してはきちんと労う、褒める、といったことも必要不可欠なのです。
メンバーにとってチームがストレスになってしまうと、個人のパフォーマンスもチームとしてのパフォーマンスも低下してしまいます。そのため「このチームに貢献できることは自分にとって幸せだ」となるべくみんなが思える雰囲気作りは何よりも重要かもしれません。
主体性とマネジメントのバランス
メンバー一人一人が主体的に動くこと、マネジメントにより一人一人の動きを管理、統制すること、の両方が重要です。主体性とマネジメントは相反する概念ではなく、両立させることがチームビルディングにつながります。
そのためチーム内にみんなが自由に発言できるフラットな雰囲気も重要ですが、リーダーの存在も重要です。
チームビルディングは業務内外の両方で実現可能
チームビルディングの具体的な方法には様々なものがありますが、中でも多く用いられているのが、ゲームです。
一見遊びのようなものも含まれており、むしろほとんど遊びのようなものです。実際コカ・コーラのような超大手企業でも、チームビルディングのために脱出ゲームを取り入れています。
これを単なる遊びで終わらせるか、チームビルディングにつなげるかは各メンバーの意識次第でしょう。何も考えずに取り組んでしまうと単に遊びで終わってしまったり、個人プレイなど目的外の方向に走ってしまう可能性があります。
そのためまずは企画者が目的を明確化し、それをメンバーと共有し、メンバー一人一人が目的意識を持ってチームビルディングに取り組むのです。そうすれば、たとえば脱出ゲームやサッカーやサバイバルゲームのような一見遊びに見えるものであっても、チームビルディングのための取り組みとして役立ちます。
何をするにしても、メンバー間でコミュニケーションをしっかり取ること、役割を考えること、個人ではなくチームとしてプレイすること、全員が理解、参加すること、などが必要不可欠です。
まとめ
チームビルディングにおいて重要なことは、目的を明確化し、チームビルディングの役割、チームとしての理想的な形を明確にすることです。その上で、個々のチームビルディングへの取り組みが存在します。
目的を明確にしないまま、チームビルディングに成功している企業の表面的な部分だけを真似てもうまくいかないということです。たとえば、意図を考えないまま脱出ゲームやスポーツ大会を開催してもあまり効果がないということです。
もちろんコミュニケーションのきっかけにはなるかもしれませんが、チームで協力する、役割分担する、全員が効率的な形でチームに貢献する、といったことまではできないでしょう。
そして目的は企画者だけでなく、各メンバーも理解しておく必要があります。
どのようなチームビルディングを取り入れるにしても、全員での話し合い、意識の共有は必須です。