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アイスブレイクを直訳すると「氷を壊す」となり、これは緊張した空気を氷にたとえ、それを壊すことを意味しています。つまり張り詰めた空気感を和ませる手法がアイスブレイクです。
アイスブレイクといってもいろいろな種類があり、誰でも知っているものから少し手の込んだものまでさまざまです。その場の雰囲気や、会話の流れによっても最適なアイスブレイクは変わってくるでしょう。また、その場に居合わせている人が少人数か大人数かによっても、切り出すべきアイスブレイクは異なります。
この記事では、大人数でアイスブレイクを行う際の注意点と、最適なアイスブレイクを紹介します。
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大人数でアイスブレイクを行う際の注意点
大人数でアイスブレイクを行う場合は、いくつか注意点があります。注意点をしっかりと確認したうえでアイスブレイクを実施しましょう。
なるべく全員が参加できるものにする
大人数でアイスブレイクを行う場合は、なるべく全員が参加できることがポイントです。全員が参加できないと、大人数でやる意味がありません。何もできない人が出てきてしまうと、せっかくアイスブレイクをしても人によって参加中のモチベーションに差が出てきてしまうでしょう。そのため大人数でアイスブレイクをするときは、大人数向けの、全員参加型のアイスブレイクを行う必要があります。
どのようなアイスブレイクが大人数向きかを考える前に、逆に大人数向きではないアイスブレイクを知っておくと良いでしょう。
他の人のプロフィールを記憶するタイプのものは難しい
大人数に適さないアイスブレイクの代表例としては、「積木式自己紹介」が挙げられます。積木式自己紹介は、参加者が自己紹介を行い、次の人は前の人の自己紹介を記憶して自己紹介を行うというアイスブレイクです。
人数が多くなればなるほど、記憶しなければならないことが増えます。人間が一度に覚えられることはそう多くはないので、この手のアイスブレイクは大人数で行うのは困難です。
また、覚えていないと単純に気まずくなるだけなので、大人数でプロフィールを覚えなければならないゲームは避けるべきでしょう。
司会進行がいる場合は、司会者が中心になって進めて良い
大人数のアイスブレイクでは全体をまとめるのが難しいので、司会進行役を設けて司会者がまとめましょう。
誰かを指名してまとめ役にする方法もありますが、アイスブレイクの目的は「場の空気を緩ませる」「まだ親しくない社員同士のコミュニケーションを円滑にする」といったものです。誰かにプレッシャーをかけることは避けましょう。
大人数におすすめの全員が中心となるアイスブレイク
上記で説明した通り、大人数でアイスブレイクを行う際はなるべく全員参加のゲームがおすすめです。具体的には、以下のようなゲームが挙げられます。
謎パ
謎パは、リアルとオンラインで実施できる、謎解きとパズルを組み合わせた「全員協力必須」の謎解きパズルゲームです。謎のかけらを集めて謎を解き、ミッションクリアを目指します。
参加者全員がひとつのチームとなるため、大人数のアイスブレイクに最適です。全員でミッションクリアというひとつの目標を目指すことで、一体感や達成感が醸成されるでしょう。
謎パの流れ
- 参加者はそれぞれ、問題が書かれたデータを持ってスタート
- 他のメンバーとお互いの情報を共有しながら謎を解く
- 謎を解き明かしたら次のミッションが発令される
- ミッションをすべてクリアすると最終問題に挑戦
- 解けたらゴール
チャンバラ合戦
チャンバラ合戦は、合戦をテーマにしたアクティビティです。スポンジでできた刀で相手が肩につけている「命(ボール)」を落とします。頭も体もフルに活用して楽しめるでしょう。
またチャンバラ合戦は、ただ単純に叩き合うだけではありません。合戦と合戦の間には軍議といった作戦タイムがあり、しっかりと戦略を立てて相手に攻め込みます。短時間でPDCAを回すことやチームワーク生成の練習につながるでしょう。
やり方
- 刀を利き腕に持ち、反対側の腕に命(ボール)を装着する
- 「戦開始!」の合図で合戦を始める
- 相手の「命」を打ち取っていき、自軍を勝利させる
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山手線ゲーム
山手線ゲームは4人以上いる場合に楽しめるゲームで、アイスブレイクとしても使えます。合コンなどの定番ゲームとして人気があり、ルールは簡単でほとんどの人が知っています。
しかし、合コンなどのイメージが強いことで、たとえば会議の合間に山手線ゲームを提案しても場違いになるかもしれません。イメージの問題から、場を選ぶゲームにはなるでしょう。
やり方
- 最初の人が「山手線ゲーム!」と言い、他の人は「いぇーい!」と合いの手をする
- 最初の人が「渋谷!」と言ったら全員で拍手を2回する
- 次の人が「池袋!」と言ったら全員で拍手を2回する
- 同じ流れで進めて、全員が間違えずに山手線の駅名を言えたら終了
ピンポンパンゲーム
ピンポンパンゲームはルールがシンプルな、アイスブレイクとして活用できるゲームです。山手線ゲームと同じく合コンの定番ゲームですが、知名度は山手線ゲームよりやや低いため、ルール説明は必要かもしれません。
また山手線ゲーム同様に合コンのイメージが強いので、場を選びます。明らかに場違いな場面で提案しないよう注意しましょう。
やり方
- 最初に1人の人(繰り返しの場合は指をさされた人)が「ピン」と言う
- 2人目の人は「ポン」と言う
- 3人目の人は「パン」と言う
- 2.3を繰り返す
- 間違えたら負け
カウントアップ
カウントアップは、1から順に数字をカウントしていくゲームです。全員参加型のアイスブレイクではありますが、数字を言う人が偏る傾向にあります。
というのも、カウントアップで全員が数字を言うことは滅多になく、ほとんどの場合は前半で被って終了します。つまり、前半で数字を言わないと数字を言う機会がありません。カウントアップを知っている人はこのことに気付いていますし、初めてやる場合でも何回かやればすぐにわかります。すると、積極的に数字を言う人もいれば、「どうせ前半で終わるし数字を言わなくても良いだろう」と傍観者に徹する人も出てきます。
雰囲気としては全員参加している感じになりますが、実際は数字をカウントしない人もいるので、本当に全員参加かと言われれば微妙なところです。そうならないためには、なるべく早く数字を言いたくなるような仕組みが必要です。たとえば「数字を言った人は抜けていって、まだ言っていない人や重複してしまった人だけが残り、最後まで残った人が負け」というようなルールにすれば、数字を言うモチベーションがアップするでしょう。
やり方
- 1~100までの数字を言っていき、100を言った人がアウト
- 他の人と数字が被ってしまってもアウトになる
司会進行役が中心となって行うアイスブレイク
司会進行役がいる場合は、司会進行役が中心となる、もしくは誰かを指名して前で発表してもらうアイスブレイクが有効です。上記で紹介したアイスブレイクのように、全員参加型で巻き込んでも楽しいですが、時間が限られている場合やスムーズに進行したい場合には、特定の人が中心になって進めるアイスブレイクがおすすめです。具体的には以下のようなアイスブレイクが挙げられます。
妄想自己紹介
妄想自己紹介は架空の人物を設定して、その人物像に基づいて自己紹介していくアイスブレイクです。まったくの別人になりきって自己紹介するので、初めて行う場合は新鮮さがあるかもしれません。
なるべく気軽にやるのがアイスブレイクとしてのポイントで、周囲が笑いを求めたりしてハードルを上げるとプレッシャーになり、アイスブレイクの本来の役割から外れてしまいます。周囲としては笑いを求めたくなる気持ちにもなるかもしれませんが、あまりそういったことはせずに、「なりきって自己紹介できればOK」という空気を作りましょう。
また、司会者がある程度設定を考えておいて、それを出題するのもひとつの手です。そうすることによって、妄想自己紹介をする人は自分で人物設定をする必要がなくなります。また、滑ってしまってグダグダになったとしても、「人が作った設定でなんとか頑張った」という面白さがあります。
司会者は妄想自己紹介をする人に丸投げするのではなく、このようなことも意図したうえで設定を考えておくと、アイスブレイクとしてはより効果的です。司会者だけでなく、聞いている人たちも途中で何か質問したり、設定を追加したりしても面白いでしょう。
やり方
- 司会者は事前に「もし〇〇だったら~」の設定を考えておく
- 発表者は「もし〇〇だったら□□したい」という構文で自己紹介を行う
ネガティブ自己紹介
ネガティブ自己紹介は、自分のネガティブな面を紹介する自己紹介です。「そんなことをして何になるのか」「どうせなら自分のポジティブな面をアピールしたほうが良いのでは?」と思われる方も多いでしょう。
しかし、人間は他人の失敗談に共感する可能性が高いです。逆に言えば、成功体験を自慢げに話されてもあまり共感できずに、「自慢話は聞きたくない」と思ってしまう可能性があります。そういった意味で、ネガティブ自己紹介は非常に理にかなったアイスブレイクです。
また発表者自身、ネガティブな自己紹介のほうが心理的なハードルが低いと感じる人が多いかと思います。初対面だとどうしても自分を取り繕ってしまい、結果的にその後の人間関係において自分を出せなくなってしまう人も多いでしょう。ネガティブ自己紹介はこのような問題を解決します。
また発表者がネガティブ自己紹介をした後に、周囲がフォローすることも重要です。ネガティブな自己紹介は聞き手が親近感を持ちやすいためお互いの距離が近くなりやすいアイスブレイクといえるでしょう。
やり方
- 通常の自己紹介に自分の失敗談を盛り込む
イメージお絵かき
イメージお絵かきは、お題に対して写真などを見ずにイメージでお絵かきするアイスブレイクです。正解や勝ち負けはありませんが、出来上がった絵をもとに談笑することができます。
普段何気なく見ているものは案外はっきり覚えていなくて、細部をうまく描けなかったりします。たとえば、小銭を正確に描ける人は多くないでしょう。また面白いことに、人によって全然違った絵を描くことがあります。人間が意外と物事を正確に認識できないことがわかると同時に、人によって認識にはかなりの齟齬が出ることがわかります。
人と人の認識には差があることを知れるので、アイスブレイクとしての効果以上の学びを得られるでしょう。
やり方
- 司会者はお題を出す
- 参加者はお題に対して写真などを見ずにイメージでお絵かきする
心理テスト
心理テストはアイスブレイクとしても有効です。ただし有名な心理テストはすでに知っている人も多いので、「マイナーなものを探す」「自分で作る」といった工夫が必要になります。
心理テストには一定の傾向があるため、既存のものを組み合わせて新たな心理テストを考えるというのもひとつの手です。また、既存のものをきちんと参考にして根拠を理解したうえで作れば、見当違いな心理テストになることも考えにくいでしょう。
そして心理テストはやって終わりではなく、アフターフォローが重要です。単に結果を伝えるだけだと、診断された側はいまいち納得感がなかったりします。たとえばネットで心理テストをやった場合でも、結果とちょっとした説明が出てきます。心理テストを受けた側の人は、その後の解説が詳細であるほど満足感を得られるはずなので、アフターフォローにもしっかり力点を置きましょう。
やり方
- 司会者は心理テストを用意する
- 心理テストに対して参加者は回答していく
- 最後に解説をする
クイズ
クイズもアイスブレイクとして有効です。何をクイズにするかは自由ですが、その場に関係のあるクイズだと、オリジナリティを出せます。たとえば、「今オフィスビルの何階にいるか?」「今日説明した内容は何か?」などは定番でしょう。
他にもちょっとしたウケ狙いで、出題者自身のことをクイズとして出題するのもありです。アイスブレイクの一番の目的は、場の空気を和ませることなので、変わり種のクイズを出して場を和ませる作戦は非常に有効になります。
やり方
- 司会者はクイズを用意する
- 参加者はクイズに回答する
- 最後に答え合わせをする
アイスブレイクは複数用意しておくと良い
「このアイスブレイクをやろう」と考えていても、当日の場の雰囲気がどうなるかはわかりません。手の込んだアイスブレイクを考えていても、会場の空気によっては切り出しにくい可能性もあります。このように、場やタイミングによって最適なアイスブレイクは変わってくるので、複数用意しておいて、臨機応変に提案しましょう。
また、時間的な問題もあります。アイスブレイクをやってみて、盛り上がれば同じものをもう1回、逆に盛り上がりに欠けた場合は別のアイスブレイクに変更する、といった工夫が必要です。すべて台本通りにいくとは限らないため、その場に応じて変えていくのが正解です。アイスブレイク自体簡単なものが多いので、複数用意することも特に難しくはないでしょう。
1回やって成功したアイスブレイクは次からも自信を持って提案できるようになります。アイスブレイクのストックをどんどん増やしていくのがおすすめです。
まとめ
アイスブレイクには少人数向けのものと、大人数向けのものがあります。参加者にプレッシャーを与えては本末転倒なので、大人数で気軽にできるアイスブレイクをいくつか用意しておきましょう。みんなで楽しめて、場の空気が柔らかくなり、その後の進行がスムーズになるアイスブレイクが理想的です。
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