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人事部の方は新入社員研修でのコンテンツ制作に悩みますよね。この記事ではチームワーク力が向上する「研修ゲーム」について魅力とメリットについて紹介し、謎解きコンシェルジュライターがおすすめする研修ゲームをいくつか紹介したいと思います。
研修ゲームってなに?
研修ゲームとは、「企業内で起りうる類似的経験を、ゲームを通じて体験させるための研修技法」です。講義中心の研修は、知識付与の側面では効果的ですが、動機づけや態度変容までの効果を生み出すことは容易ではありません。その点、事例研究やロールプレイング、ビジネスゲームなどの体験型の研修技法を活用することで、内容の理解促進と共に態度変容までの効果を生み出すことも期待できます。
(引用:産業能率大学 総合研究所)
研修ゲームの魅力
メリット1 参加者が能動的に知識を修得できる
講義中心の研修は、知識をつけるという点では効果を発揮しますが、主体的な行動や自ら動く動機づけができません。研修ゲームを通じて、参加者が能動的に必要な知識を獲得できます。
メリット2 短時間で効果的に研修を進めることができる
研修は限られた時間内に実施しないといけません。研修ゲームは参加者が集中して主体的に参加する工夫が散りばめられたゲームです。短時間で効果的に研修を実施することができます。
メリット3 参加者同士でコミュニケーションが盛り上がる
ゲームはいずれもコミュニケーションスキルが必要とされるものばかりです。ほとんど知らない、もしくは初対面の内定者同士でも、必然的に協力するようになり、仲間意識を強めることができます。
研修ゲームに期待できる研修効果
効果1 興味と関心を起こすことができる
新入社員の中には研修に対して抵抗感を持っています。研修ゲームを通して、新入社員の興味関心を引き出すことで研修のコンテンツ理解を促進させます。
効果2 成功体験が得られる
成功体験は非常に重要な体験です。近年の若手社員は、成功より安定志向を好む傾向があります。そのため成功体験がないと失敗を恐れてチャレンジしないという負の循環が生まれます。研修ゲームを通して、達成感や成功体験を体験することができます。
効果3 行動を通じて学習できる
講義研修のような受動的な研修よりも、研修ゲームのように実際に行動する能動的な研修のほうが、学習効果は上昇します。
効果4 新しい発見ができる
大学や高校までの勉強は、インプット中心の勉強でした。そして個人作業を多く占めているのが特徴です。しかし社会に出てからは、アウトプットの成果が求められます。また個人よりチームでのアウトプットを求められる企業もあるでしょう。研修ゲームはチームで作業するので、個人で作ったアウトプットと異なる部分を発見し、自分の経験として身につけることができます。
効果5 多角的な見方を促進する
参加者との協働による研修ゲームを通じて、他のメンバーの考え方や視点を知ることができます。自分自身では気付かなかった視点、考え方、交渉の仕方、プレゼン力など、同じゲームをすることで多角的な見方に気付くことができます。
効果6 反省に結び付けられる
研修ゲーム終了後、教育側が適切な振り返りを実施することで反省(ふりかえる力)が身につきます。PDCA【Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)】の一連のサイクルをゲームを通して体験することができます。
研修ゲーム事例
研修ゲームの魅力や効果が分かったところで、どんな研修ゲームがあるのか紹介したいと思います。この記事で紹介する研修ゲームは以下の5つに分類されます。
- イメージ交換ゲーム
- コラボレーションゲーム
- 協力ゲーム
- コミュニケーションゲーム
- 脱出ゲーム
この5つに分類された研修ゲームの中で、謎解きコンシェルジュライターがおすすめのゲームを紹介していきたいと思います。
おすすめ1 研修ゲーム イメージ交換ゲーム
(参考:産業能率大学 総合研究所)
研修の導入時に自己紹介の代わりにアイスブレイクとして実施するのがおすすめのゲームです。イメージ交換ゲームを実施することで、参加者の緊張感を和らげ、お互いに打ち解けやすくなります。結果研修が進めやすくなるというメリットがあります。
◎ゲーム概要
印象交換ゲームは、準備されたワークシートを使い、参加者がお互いの第一印象(イメージ)を交換し合うことで、研修の参加者の相互理解を深めることができます。
◎ゲーム内容
時間 60分~90分
人数 6名~30名
◎ゲームの流れ
- チームを組む。
イメージ交換ゲームの概要は、多人数(最低6人)でチームを組み実施します。
- ワークシートを使って、相手の印象をまとめる。
- 相手に持っているイメージを交換する。
◎イメージ交換ゲームを通して、何が学べるのか?
- 相互理解の基本を学ぶことができる。
- 人の見方を理解することができる。
- 相手に対する見方の癖や先入観を知ることができる。
- 人をイメージ(第一印象)だけで判断することは危険だということを学べる。
- 相互理解を深めるためにコミュニケーションは重要であることを学べる。
おすすめ2 研修ゲーム コラボレーションゲーム
(参考:産業能率大学 総合研究所)
コラボレーションゲームは、グループ内のメンバーと協力して分散している情報を整理し、一つの成果物にまとめていくゲームです。このゲームの特徴は、ゲームを通じてグループ内での情報伝達や思考をまとめてゲームを進行していくことの難しさを学べる点です。
コラボレーションゲーム1 配属先はどこだ?
◎ゲーム概要
30個の情報をメンバーで交換し会社の情報の中にある課題を明確にして、達成することが目標のゲームです。
◎ゲーム内容
人数 1グループ4~6名
時間 約2時間
コラボレーションゲーム2 販売促進会議
◎ゲーム概要
25個の情報をメンバー間で交換し、販売促進のキャンペーン地区を限定し、その理由を報告書にまとめるゲームです。
◎ゲーム内容
人数 1グループ4~6名
時間 約2時間
コラボレーションゲーム3 情報整理ゲーム
◎ゲーム概要
情報整理ゲームは、分断された地図情報を口頭で他の参加者に伝え、正しい地図を完成させるゲームです。
◎ゲーム内容
人数 1グループ4~6名
時間 約1時間
◎ゲームの流れ
- 1人ずつに地図の完成させるための情報が書かれたカードが配られます。
- グループ内でカードに書かれた情報を口頭で共有し、時間内に地図を完成させるゲームです。
◎ポイント
このゲームのポイントは、自分に配られたカード情報を口頭のみで他のメンバーに伝える点です。
情報共有する際は、相手に分かりやすい説明をして情報共有を試みることが重要です。
おすすめ3 研修ゲーム 協力ゲーム
(参考:産業能率大学 総合研究所)
協力ゲームは、バラバラに配られた図形の型紙(三角形・五角形)、もしくは漢字カードや数字カードを、あるルールのもと、チーム全員の協力で一定の形に作りあげるゲームです。正解が複数個ある場合があります。
協力ゲーム1 図形ゲーム
◎ゲーム概要
協力ゲームは、バラバラに配られた図形の型紙(三角形・五角形)を一つの形に作り上げるゲームです。状況によって、複数個の正解があります。
◎ゲーム内容
時間 約60~100分 ※ゲームによって所要時間と難易度が異なります
人数 8~30名
◎ゲームの流れ
- グループに分かれ、ルールを確認する。
- 各グループに配布された紙片セットを机上に広げる。
- 各自で課題を解くための方法を考える。
- グループ内で解き方を決め、図形の組み立て作業に移る。
- 課題が達成できたら、フィードバックをもらいメンバーからもらう。
◎ゲームのポイント
最初に決めた方法で解けない場合は、再びグループ内で話し合い作戦を立てる必要があります。この作業によって、チームビルディング効果を得ることができます。
協力ゲーム2 漢字ゲーム
◎ゲーム概要
漢字ゲームは、漢字の一部が表示されているカードを使って、グループ内のメンバーは、それぞれ違う漢字を完成させることが目標のゲームです。
例) 言 + 土 + 寸 = 詩
◎ゲーム内容
時間 約60~100分 ※ゲームによって所要時間と難易度が異なります
人数 8~30名
協力ゲーム3 NASAゲーム
◎ゲーム概要
NASAゲームは、チームメンバーと合意(コンセンサス)を取る協力型コミュニケーションゲームです。まずゲームのストーリーを説明いたします。
◎ゲーム内容
人数 4〜100名以上(1チーム 4〜6名推奨)
時間 1〜1時間半
◎ゲームの流れ
NASAゲームストーリー
あなた方は宇宙船に乗って月面に着陸しようとしている宇宙飛行士です。
月面には母船が待っているのですが,機械の故障で母船から約200マイル(約320km)離れた所に不時着してしまいました。
不時着時の衝撃で宇宙船はほとんど壊れ使用不能となりました。
しかし、次の15アイテムは破損を免れて完全なまま残っていました。
「まずは、重要なアイテムを見極めよう」ある宇宙飛行士が言いました。
「冷静に判断するため、まずは各自で考え、最後は全員で話しあおう。」
母船に無事たどりつくため,15アイテムの中で必要なものから重要度の高い順に1番から15番までの順位をつけなさい。(最も優先度が高いものが1となります)
NASAゲームの15のアイテム
・マッチの入った箱
・宇宙食
・ナイロン製ロープ(15m)
・落下傘の布(パラシュート)
・ソーラー発電の携帯用暖房器
・45口径ピストル(2丁)
・粉ミルク(1箱)
・酸素ボンベ45kg(2本)
・月からみた星座表
・救命いかだ(救命ボート)
・磁石コンパス
・水(19リットル)
・信号用照明弾
・注射器入りの救急箱
・ソーラー発電式FM送受信機
◎ゲームのポイント
このゲームの特徴は、自分の意見を出した後、チームで話し合いながら全員で1つの結論を出すという点です。もっとも重要な点は、多数決や誰かが折れるのではなく全員の合意を取る点です。
このゲームはただ合意を取るだけのゲームではありません。このゲームにはNASAが用意した模範解答があり複数チームの実施の場合、模範解答に最も近いチームの勝利となります。
おすすめ4 研修ゲーム コミュニケーションゲーム
コミュニケーションゲームは、口頭で行うシンプルなゲームです。コミュニケーションの難しさや話し方、聴き方の技術について、参加者たちと楽しみながらアウトプットできる特徴があります。
コミュニケーションゲーム1 自分史
◎ゲーム概要
仕事を選んだ理由を知ることができるのが「自分史」です。今の仕事を選んだ理由を知ることでメンバーの結束力を高めることができます。
◎ゲーム内容
人数 何人でも
時間 実施人数により異なる(1人につき5分)
◎ゲームの流れ
- 研修の参加者たちで、現在の仕事を選んだ理由について5分間語ります。
- 自分史が語り終えたら、他のメンバーから一言ずつコメントをもらいます。
◎ゲームのポイント
ゲームと言われると疑問を持たれる方がいるかもしれませんが、短時間でチームワークを高める効果があります。プレゼン力や自分が現在の仕事を選んだ理由の振り返りができる点がポイントです。
コミュニケーションゲーム2 グッドオアニュース
◎ゲーム概要
アイスブレイクにおすすめなのが、「グッドオアニュース」です。24時間以内に自分にとってのグッドニュースを簡単にまとめて発表するゲームです。
◎ゲーム内容
人数 何人でも(制限なし)
時間 人数による(一人5分くらいがちょうどいい)
◎ゲームの流れ
24時間以内にあった自分にとってのグッドニュースを順番に話すゲームです。ルールは簡単、発表している人の話に耳を傾け、終わった後は必ず拍手をするのがグッドオアニュースのルールです。同僚たちがどんなことに関心を持っているのか知ることができ、意外な一面が見られるでしょう。
◎ゲームのポイント
勝敗をつけるゲームではなく、相手をよりよく知ることができるゲームなので誰でも参加できます。アイスブレイクにうってつけで、研修の雰囲気づくりにも役立つゲームです。
おすすめ5 研修ゲーム 謎解き脱出ゲーム
◎ゲーム概要
「参加者自身」が物語の主人公となり、決められた時間や空間の中で与えられた謎を解いて物語のクリアを目指す遊びです。
◎ゲーム内容
人数 5~8人
時間 20~60分
「脱出ゲーム」をリアルな空間でおこなうゲームを指します。数人でチームを組み、ヒントを見つけながら謎を解き、全ての謎を解いて部屋から脱出すれば脱出成功です。時間配分、コミュニケーション能力、情報共有能力を身につけることができます。謎解き脱出ゲームを通して、チームビルディングとして活用できます。
◎ゲームの流れ
- 世界観とルールを確認する
- 協力して謎を解く
与えられた資料やヒントをもとに、チームで謎を解いていく。
- 脱出成功or失敗
全チームが謎解き終了もしくは制限時間が終了した場合、進行役が謎の答え合わせを行う。
◎ゲームのポイント
- ポイント1 企業向けの研修にカスタマイズされたゲーム
- ポイント2 狭いスペースで開催が可能
- ポイント3 充実感の得られるゲームでチームビルディングが可能
研修ゲームを実施するうえで重要なポイント
研修用のゲームはプレイして終了ではありません。一番重要なのは、振り返りを適切に行うことです。振り返りを適切に行うことで、参加者たちの記憶にも残りさらに研修効果が高まります。そのためには、ただ楽しんでもらうのではなく、何故この研修ゲームを行ったのか教育側がしっかり説明することが重要です。また来年度の研修の参考にアンケートを実施し、ゲームの効果測定をおこなうのもおすすめしています。
まとめ
研修ゲームによって、チームワークの向上が期待できます!研修後に適切な振り返りをすることで、研修効果の倍増も期待できます。新入社員研修のコンテンツ制作に悩んでいる人事部の方は、ぜひ検討してみてください!