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チームの成果を最大化するために必要な「チームビルディング」。HRプロ株式会社の調査(2011年)によると、「チームビルディング」の必要性を「非常に感じている」と回答した企業が半数を占めました。「まあまあ感じている」と回答した企業を合わせると、実に8割以上の企業が必要性を感じています。
そんな中、一風変わったチームビルディングが注目を集めています。それは、チームを組んでその場所の歴史や文化、もしくは企業にまつわる謎を解き、ゴールをめざす「戦国宝探し」。企業のチームビルディングや周年事業の一環として、多くの企業に選ばれています。
戦国宝探しを提供する株式会社IKUSAの事業開発マネージャー・吉野禎央さんに、戦国宝探しのメリットや事例をうかがいました。
謎解きとウォークラリーをかけ合わせた「戦国宝探し」
「戦国宝探し」は、いわば謎解きイベントとウォークラリーを掛け合わせたアクティビティです。単なるウォークラリーと異なるのは、謎を解くことで次に目指すべきポイントがわかる仕組みになっていること。宝の地図を手掛かりに、隠された宝物を探して歩きます。吉野さんは「戦国宝探し」のルールを、次のように解説してくれました。
「まずスタート地点にて、宝の地図を受け取っていただきます。宝の地図に書かれているのは、その地域の歴史や文化にまつわるストーリー。ストーリーに仕掛けられた謎を解くと、次に向かうポイントがわかる仕組みです。推理が合っていればそこに宝箱が仕掛けられているので、その中に書かれている合言葉を解き明かし、それをもとに次のポイントを目指して……という流れを何度か繰り返し、ゴールを目指します。所要時間は2時間ほど。最後に、地域内に設定された場所で答え合わせ。正解ならクリア賞品がもらえて、賞品抽選にも応募できます。(※以下発言は全て吉野さん)
「1チームの人数は5~6人程度に設定するのがおすすめです。チーム内の人数が増えれば増えるほど、一人ひとりのコミット感が減るからです。適切な人数でチームを組むことで、それぞれが全力で協力し合うことができますし、チームメンバーのことを深く知ることができます」
謎を解きながら宝探しをするという「非日常感」があるからこそ、普段交流がないメンバーとも会話がはずみそうですね。「戦国」のエッセンスがあまりイメージできないのですが、たとえばどんな事例があるのでしょうか。
「岐阜県可児市で実施した例がわかりやすいかもしれません。可児市は、森蘭丸と明智光秀の生誕地。森蘭丸と明智光秀の宝物が隠されているという設定で、謎解きに挑戦していただきました」
企業が「戦国宝探し」を実施するメリット
一昔前とは異なり、社員同士の横のつながりが希薄になっています。その結果企業は、社員のエンゲージメントを高めることができず、離職を防ぐことができていません。そんな時代において、「戦国宝探し」をチームビルディングのためのアクティビティとして採用する企業さまが増えているそう。
「社員旅行に行った先の土地で、戦国宝探しを実施する企業さまも増えていますね。昔ながらの社員旅行は、現地に到着したら観光して、夜は宴会をするというものでした。でも観光では、いつものチームメンバーと固まってしまい、他の社員との交流が深まらない。そうした課題を解決できるアクティビティとして、戦国宝探しをお選びいただいているわけです」
たとえば社員旅行の行先が小田原なら、小田原観光はしたい。でも観光だけではチームビルディングにつながらない――そんな課題を解決するのが、「戦国宝探し」です。小田原は北条家とのつながりが深い土地なので、北条家にまつわる謎を解いていきます。謎を解きながら次々にポイントを解くことで、いろいろな場所を回れますし、その土地のことを深く知ることができます。
「社員旅行の幹事さまのニーズは、『観光はしたいが単なる観光ではつまらない』『せっかく社員旅行に行くなら、仲間を楽しませたい』。そんなニーズに応えることができていると自負しています」
健康経営がトレンドワードになっている今、屋外で体を動かしてリフレッシュできるというのも、見逃せないメリットでしょう。周年イベントとして「戦国宝探し」を実施する場合、社員のご家族を招いて、子どもと一緒に体と頭を使って楽しめます。
「大人数で一度に実施できる点も、しばしばお褒めいただきます。過去には、1200人を300人×4コースに分けて実施したこともありますね」
またユニークな事例として、ポイントごとにミッションを課すこともあります。「全員で大縄跳びを2回跳んでから、次に進むこと」などを採用される企業さまが多いですが、過去にはお酒を取り扱う企業さまが「強いお酒か苦いジュースをショットで一気飲みする」というミッションを設定されたことも。こうしたこともまた、メンバー同士の絆を強くしてくれます。
「戦国宝探し」で社員同士の「共通体験」をつくる
「戦国宝探し」の目的である、チームビルディングの効果はいかがでしょうか。「戦国宝探し」ならではの効果をうかがいました。
「歴史や文化にまつわるストーリーというエッセンスがあるからこそ、一人ひとりに得意不得意が出てきます。学生のころから歴史嫌いだったという人もいれば、その地や文化に詳しい人がいるかもしれない。またどんどん歩ける人もいれば、頭を使うほうが向いている人もいますよね。だからこそ、『私は歴史が得意だから、ここで謎解きにチャレンジします』『僕は体力に自信があるから、ヒントを見に行ってくる』などという役割分担が自然にできます」
アクティビティの間はもちろんのこと、アクティビティを終えたあとの効果も見逃せません。
「ともに戦国宝探しにチャレンジしたという共通体験があるので、夜の宴会も盛り上がりますね。『Aさんはあのとき、ダミーの宝箱に引っかかったよね!』『あのときは焦ったよ』なんて振り返るだけでも盛り上がりますから」
オーダーメードの宝探しで企業理念を浸透させる
幹事さまとしては、株式会社IKUSAの「戦国宝探し」を選ぶことのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
「当社の戦国宝探しは、幹事さまの手離れがいいのも特長です。チーム分けだけはお願いしていますが、それ以外はお任せいただけます。しかも企業さまごとに完全オリジナルでお作りできますし、どのエリアでも対応可能です。そのうえ、競合大手よりも安価。幹事さまが社内でプレゼンされる際には、こういったポイントを推されることが多いようですね」
また「戦国」に限らず、企業理念などの「伝えたいメッセージ」を織り込むこともできるそう。これは完全オリジナルだからこそできることですよね。
「歴史や文化にまつわるストーリーなどの要素を抜いた宝探しをご提供することも可能ですが、基本的にはある程度、戦国などの歴史的な要素を入れることをおすすめしています。というのも、企業経営者は歴史好きな方が多いから。戦国というエッセンスが入っているだけで、ぐっと稟議が通しやすかったりします(笑)」
吉野さんによると、予算は80万円程度から。準備期間は3か月確保が目安となります。また「戦国宝探し」だけでなく、さまざまなアクティビティを提供可能だそう。
「歩き回りつつ頭も使うアクティビティなら、戦国宝探し。室内で、あまり体を動かさないものがよいなら、謎解き脱出ゲーム。戦国宝探しよりももっと体を動かしたいなら、チャンバラ合戦をおすすめしています」
チームビルディングや周年事業にぴったりの「戦国宝探し」。より楽しく幸せに働くために、
今後ますます注目を集めるのではないでしょうか。