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チーム内のコミュニケーションを深めるために効果的な手段の1つは、ゲームを行うことです。ゲームを取り入れることで、相手との人間関係の構築を楽しみながら行えます。とはいえ、ひとくちにゲームといっても、何が最適なものかは状況によって違うもの。そこでこの記事では、「短時間」「室内向け」「オンライン」の3つの種類に分類して、おすすめのゲームを紹介します。コミュニケーションを深めるためにどんなゲームをしようか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
短時間でできるコミュニケーションゲーム
まずは、アイスブレイク代わりにサクッと短時間でできるゲームを紹介していきます。
小見出し:1. 伝言ゲーム
やり方は以下のとおりです。
- グループで1列になり、先頭の方がお題の言葉を2番目の人に耳打ちする
- 2番目の人は3番目の人へと……続けていき、最後の人まで伝える
- 最後の人が伝わってきた言葉を発表し、それがお題と同じか、もしくはより正確に伝わった方が勝利
情報伝達の大切さや、ミスなく伝えることの難しさを学ぶことができるゲームです。ルールを知っている人が多く、ルールの説明をする時間も短く済むので、スムーズにゲームをはじめやすく短時間で行うことが可能です。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……1チーム6名程度
- 所要時間……30分~1時間
- 費用……不要
2. ジェスチャーゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 司会者が参加者1名にジェスチャーのお題を伝える
- ジェスチャーでお題を表現する
- 残りの参加者がジェスチャーのお題を回答する
ジェスチャーゲームのお題は、司会者が解答者に見えないよう、お題を書いた紙やホワイトボードを解答者の後ろから示します。基本的には正解が出るまでジェスチャーを続けますが、あまりに厳しい場合はパスも有りにしておくのがいいでしょう。そのため、お題はできるだけたくさん用意しておくことをおすすめします。身振り手振りのみでコミュニケーションをとるため、ゲームをすることでチームの意思疎通がよりスムーズになるでしょう。
- 必要なもの……お題を書く紙かホワイトボード
- 参加人数……8~10 名
- 所要時間……10~25 分
- 費用……紙かホワイトボードの購入費用
3. 体内時計当てゲーム
やり方は以下のとおりです。
- ストップウォッチを持った司会者がスタートの合図を出す
- 30秒たったと思った参加者は手をあげる(秒数の設定は任意)
- ストップウォッチが30秒を指したら、司会者が「今、30秒たちました」と声をかける
- 司会者が声をかける前に手をあげた人のうち、正しい時間にもっとも近い人が勝ち
「体内時計ゲーム」は時計を見ずに自分の感覚だけで秒数を当てるという、シンプルで単純なゲームです。「秒数当てゲーム」と呼ばれることもあります。人によって時間の感覚は異なります。より正確な時間感覚を持っている人がわかるなど、その後のコミュニケーションのきっかけになるでしょう。大掛かりな準備の必要がなく、人数が多くても少なくても対応できるので取り入れやすいゲームです。
- 必要なもの……ストップウォッチ(スマートフォンのアプリも可)
- 参加人数……5名~
- 所要時間……10分~20分
- 費用……ストップウォッチの購入費用(アプリを利用する場合はかかりません)
4. バースデーライン
やり方は以下のとおりです。
- 会話をせずジェスチャーやアイコンタクトのみで、参加者たちが誕生日順(1月から)に並ぶ
- 並び終えたら、1月の方から自分の誕生日を言っていく
- 正しく並ぶことができれば成功
誕生日順に並ぶ際はしゃべってはいけないため、正しく並ぶには身振り手振りのみでコミュニケーションを取る必要があります。仕事でそれなりの付き合いがある仲でも、誕生日というパーソナルな情報まで知っていることは少ないもの。ゲームを進めるなかで、自然とお互いの距離が近くなります。なかには、「同じ誕生日なんだ!」「星座が一緒だね!」などと話が盛り上がることも。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……8~15名
- 所要時間……5~15分
- 費用……不要
5. 共通点探しゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 2人1組になる
- 制限時間内で相手との共通点を探す
- もっとも多く共通点を見つけ出せたペアが勝ち
このゲームでは、相手に不明点や疑問点を投げかける「質問力」が試されます。質問を繰り返すことで、これまで知らなかった相手のパーソナルな部分を知ることができるため、その後の人間関係も構築しやすくなります。また、共通点があると相手に親近感を持ちやすいこともポイントです。勝利したチームは参加者全体にコツを共有して、ペアを入れ替えてゲームをくり返せば、メンバー全体が打ち解けやすくなるでしょう。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……1チーム2名
- 所要時間……30分
- 費用……不要
6.ブラインドスクエア
やり方は以下のとおりです。
- 5~6名のチームを作る
- チーム内でリーダーを決める
- リーダー以外のメンバーは目隠しをする
- 目隠しをしたメンバー全員で1本の長いロープを持ち、リーダーの指示でお題の形を作る
- お題通りの形を作れたチームが勝ち
このゲームでは、リーダー以外の方は自分や周りの状況が見えず、耳で指示を聞くしかありません。そのため、指定された形を作るにあたり、チーム内でコミュニケーションを取りながら行動する必要があります。リーダーは、目が見えずに混乱しているメンバーが正しく動けるように、どのように指示を出せばいいか考えなくてはなりません。チームとしての動き方を学べるゲームといえます。
- 必要なもの……アイマスク・ロープ
- 参加人数……1チーム5~6名
- 所要時間……10分程度
- 費用……アイマスク・ロープの購入費用
7.「実は……〇〇です」自己紹介
やり方は以下のとおりです。
- 1人ずつ、「実は……」で始まる自己紹介をする
- 他の参加者は気になることがあれば質問して掘り下げる
- 全員の自己紹介が終わったら終了
このゲームは自己紹介が目的なので、勝ち負けはありません。ポイントは、名前や年齢などの基本情報を言うだけでなく、聞く人の印象に残る自己紹介をすることです。そのために、「実は」という言葉が役立ちます。自己紹介をした人の性格を共有しやすくなり、意外な一面が見えて距離が縮まることもあるため、その後のコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……2~10名
- 所要時間……10~30分
- 費用……不要
室内でできるコミュニケーションゲーム
次に、室内で楽しみながらできるゲームを紹介します。
8. お菓子でロシアンルーレット
やり方は以下のとおりです。
- 4~6名でチームを作る
- じゃんけんなどでお菓子を食べる順番を決める
- 順番に1つずつお菓子を食べていく
- ハズレのお菓子を食べた人が負け
このゲームで使用されるお菓子はクッキーやシュークリームなどが多く、「ハズレ」はわさびや唐辛子などで激辛にするのが一般的です。パーティーグッズの1つとして、ロシアンルーレット専用のお菓子が販売されているので、いろいろ探してみると良いでしょう。誰かがハズレを引いた瞬間、意外なリアクションを見せてくれるかもしれません。これをきっかけにコミュニケーションを深めることができるでしょう。
- 必要なもの……ハズレ有りのお菓子
- 参加人数……1チーム4~6名程度
- 所要時間……10~15分
- 費用……お菓子の購入費用
9. 人狼ゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 5・6人のチームを作る
- 1人ずつ人狼ゲームのカードを配り、人狼側と村人側に分かれる
- 狼たちは自分の正体がバレないように嘘をつき、村人たちは会話を通して紛れ込んだ人狼を探していく
- 狼を見破れば村人側の勝ち、村人側が全滅すれば狼の勝ち
人狼はブームにもなったゲームなので、ルールを知っている人も多いでしょう。ただ、経験値の差で勝敗が左右されないように、ゲーム前にしっかりルールを共有することをお忘れなく。村人に紛れた狼を見つけるため、参加者は他メンバーの話の矛盾を見つけ出していきます。ハラハラしながら、コミュニケーション力や論理的思考などを育成できる、かなり高度なゲームです。
- 必要なもの……人狼ゲームのカード
- 参加人数……1チーム5・6名程度
- 所要時間……1~2時間
- 費用……カードの購入費用
10. ○☓クイズ
やり方は以下のとおりです。
- 会場に◯のエリアと✕のエリアを作る
- 司会者が出すクイズに◯か✕かで答え、それぞれのエリアに移動する
- 間違えた人は席に戻り、誰か1人になるまで続ける
- 最後まで残った人の勝ち
クイズは常識問題でもかまいませんし、会社や参加者にちなんだ内容でもいいでしょう。もしくは、「絶対に誰も知らないだろ!」とツッコミたくなるような、難易度の高い問題を出すのもおもしろいかもしれません。周囲とガヤガヤ話しながら答えるのをOKにすれば、自然とコミュニケーションが生まれていくでしょう。
- 必要なもの……クイズ問題
- 参加人数……5名~
- 所要時間……10~15分
- 費用……不要
11. 似顔絵当てゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 4~6名でチームを作る
- チーム内で当てる人(1名)と似顔絵を描く人を決める
- 似顔絵を描く人たちのなかで、誰を描くかを決める
- 制限時間内で似顔絵を完成させる
- 当てる人がメンバーの似顔絵を見て、誰を描いたかを当てる
似顔絵を描く対象はチーム全員が知っていれば、その場にいる人でもいいですし、有名人でもかまいません。似顔絵をキレイに描くのが目的ではないので、制限時間は短くするのがおすすめです。短時間だと顔の特徴をつかんで描く必要があるため、描き手の個性がわかり今後のチームワークに活きるでしょう。
- 必要なもの……紙とペン
- 参加人数……1チーム4~6名
- 所要時間……15~20分
- 費用……紙とペンの購入費用
12. レゴ
やり方は以下のとおりです。
- 4~6名でチームを作る
- チームごとにレゴブロックを配る
- お題に沿ってチームでレゴブロックを組み立てる
このゲームは勝ち負けを決めるものではないため、チームごとに自由な発想で組み立てていきます。チーム内でのコミュニケーション力だけでなく、理想の形に組み立てるための創意工夫や思考力の刺激にも繋がります。独創的な作品であるほど、「あのとき、すごいもの作ってたよね」などと話のネタになるでしょう。レゴブロックを揃えるにはある程度の費用がかかるため、大人数で行うのは少し難しいかもしれません。
- 必要なもの……レゴブロック
- 参加人数……1チーム4~6名
- 所要時間……30分~2時間
- 費用……レゴブロックの購入費
13.NASAゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 4〜6名程度でチームを作る
- NASAゲームの設定を全体で共有し、まずは個人の考えをまとめる
- チームで話し合い、合意を形成する
- NASAの模範解答にもっとも近いチームが勝ち
NASAゲームの設定は「月に不時着をした宇宙飛行士」というもの。手元にあるアイテムのうち、遠く離れた母船に戻るためには何が必要か、優先順位をつけるというゲームです。優先順位をつけるにあたって、チームで話し合いをして意見を論理的にまとめていきます。自分の意見を他のメンバーにわかってもらう必要があるため、コミュニケーション力に加えてロジカルな思考力も身につきます。
- 必要なもの……NASAゲームの問題と回答
- 参加人数……1チーム4〜6名程度
- 所要時間……30〜1時間
- 費用……不要
14. グッドオアニュース
やり方は以下のとおりです。
- 1人ずつ、24時間以内に起こった楽しいことや嬉しいことを発表する
- 聞いた人は気になる発表内容に対して、質問して掘り下げる
- 全員の発表が終わったら終了
自分が「楽しい」「嬉しい」と感じたことであれば、ごく小さなことでかまいません。発表者がどんなことを「楽しい」「嬉しい」と感じるかがわかれば、その人の性格もつかみやすくなります。ポイントは、どんな内容でも話しやすい空気を作ることです。そのために、発表者が話し終わったら拍手をするなどのルールを設けるようにしましょう。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……2~8名
- 所要時間……5~20分
- 費用……不要
オンラインでできるコミュニケーションゲーム
最後に、近年注目を集めているオンラインでできるゲームを見ていきましょう。
15. 野球のポジション当てゲームオンライン
やり方は以下のとおりです。
- 4・5人のチームに分かれる
- 参加者1人ひとりの画面に「とある野球チームのメンバーの情報」が書かれたカードが、数枚ずつ表示される
- 参加者は口頭で自分のカードの情報をチームのメンバーに伝え、全員に情報を共有する
- 各メンバーの情報を集約して、「誰がどのポジションなのか」を推理する
- チーム全員のポジションが早く確定したチームの勝ち
情報の伝え方や聞き取り方、まとめ方などでコミュニケーション力を鍛えることができます。オンラインゲームに申し込むだけで気軽に実施できるため、短時間での研修としても活用できるでしょう。
- 必要なもの……「野球のポジション当てゲームオンライン」への申込
- 参加人数……1チーム4・5名
- 所要時間……30分~
- 費用……ゲームの申込費用
16. 心理テスト
やり方は以下のとおりです。
- 司会者が心理テストを読み上げる
- 心理テストの回答を参加者それぞれが答える
- 司会者が解説する
このゲームは勝敗をつけるタイプのものではありませんが、参加者の回答は話のネタにしたり、普段話さない人の性格や意外な一面を知れたりします。オンラインで心理テストを行う場合は、四択形式にすると参加者も答えやすいでしょう。司会者が事前に心理テストをWordやメモに書き起こしておき、画面共有で全員が見られるようにしておくのもおすすめです。
- 必要なもの……心理テストの問題と回答
- 参加人数……2名~
- 所要時間……30分~
- 費用……不要
17. オンリーワンゲーム
やり方は以下のとおりです。
- 4〜6人のチームに分かれる
- 「チームのなかで1人しか当てはまらないだろう」と思うお題を順番に発表する
- チーム内でお題に当てはまる人は挙手をし、実際にオンリーワンだったお題を出した人が勝ち
お題は「1人っ子」というありそうなものから、「海外に10回以上行ったことがある」など少しハードルが高めなものまで、各々が自由に考えます。考えたお題を自分で発表してチーム内に呼びかけるので、自然なコミュニケーションが促進できるゲームです。他のグループと数を競う対抗戦にすると、さらに盛り上がります。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……4~6名
- 所要時間……5~15分
- 費用……不要
18. 条件プレゼン
やり方は以下のとおりです。
- チームで分かれる
- プレゼンで使用するキーワードを発表する
- 限られた時間内でプレゼン内容を決める
- 各チームでプレゼンを行う
- 一番おもしろい内容のプレゼンをしたチームに投票する
- 最も票を集めたチームが勝ち
条件となるキーワードは1つでもいいですが、2・3個あった方がおもしろさは増します。チーム戦ですので、各メンバーが「プレゼン担当」「資料作成担当」「情報収集担当」「リーダー」といった具合に役割を把握し、行動する必要があります。集めた情報をどう組み合わせておもしろい内容にするかで、チーム内のコミュニケーション力が試されます。
- 必要なもの……資料を作成する場合は紙・ペン・PCなど
- 参加人数……1チーム4名~
- 所要時間……1時間ほど
- 費用……紙やペンの購入費
19. ヒーローインタビュー
やり方は以下のとおりです。
- 複数の質問する側(インタビュアー役)と1人の質問される側(ヒーロー役)に分かれる
- インタビュアー役がヒーロー役に対していくつか質問を行う
- ヒーロー役が質問に答えていく
- 1人目のインタビュアー役が終わったら、2人目のインタビュアー役が質問をする
- すべてのインタビュアー役の質問が終わったら、ヒーロー役が「もっと話をしたい」と思うインタビュアー役を指名する
- 指名されたインタビュアー役がゲームの勝利者となる
プロ野球のヒーローインタビューのようにヒーロー役が気持ちよく発言できるよう、インタビュアー役は質問や会話を工夫することが求められます。このゲームを通して相手のことを深く知ることができるので、できたてのチーム内でのコミュニケーションに最適です。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……3名以上
- 所要時間……1回の質問と受け答えを合わせて5〜6分程度
- 費用……不要
20. 2つの真実と1つの嘘
やり方は以下のとおりです。
- グループ全員に、自分について 2 つの真実と 1 つの嘘を考える
- 各チームメンバーに3 つの話を発表し、どの話が嘘だと思うか、グループで投票を行う
- 投票が済んだ後、どの話が嘘だったかを明かし、投票結果と照合する
発表者がどういう話をチョイスするかがゲームの鍵です。真実がにわかには信じがたい突飛な話であったり、嘘が一見するとありそうな話であったりすると、このゲームは楽しくなります。結成して間もないチームで行うのがおすすめです。このゲームで自分のエピソードを共有し、今後の会話のネタにすれば、仕事仲間とのコミュニケーションを深められます。
- 必要なもの……特になし
- 参加人数……3 名以上
- 所要時間……1 名あたり 2~3 分
- 費用……不要
まとめ
チームで協力してゲームをすることで、単にグループ活動をするよりもコミュニケーションは深まりやすくなります。積極的に会話をするのが苦手な人でも、ゲームであればチームに溶け込みやすいでしょう。チームメンバーの緊張をほぐし、コミュニケーションを自然に取るようにもっていくには、状況にあった適切なゲームを選ぶ必要があります。この記事では、やり方のほかに目安の参加人数や所要時間、かかる費用もまとめたので、ゲームを選ぶ際の参考にしてみてください。