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職場コミュニケーションのポイントは?苦手を克服する方法も徹底解説

人は、誰もが一人で生きていくことはできません。コミュニケーションは、仕事やプライベート、あらゆる場面で不可欠なものです。しかし、「初対面の人とうまく話せない」「会話が続かない」など、コミュニケーションに悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、コミュニケーションとは何か、その重要性を解説します。また、職場におけるコミュニケーションポイントや、コミュニケーション能力を身につける方法、コミュニケーションが苦手な人の特徴、対処法、気を付けることについても解説します。

記事の後半では、企業にとってのコミュニケーションのメリット、社員のコミュニケーション能力を鍛える研修についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

こちらの記事ではコニュニケーションが苦手な人に起こりうる問題と、改善方法を解説しています。ご興味がある方はぜひご覧ください。

仕事上でのコミュニケーションが苦手な方必見!問題から改善方法までをご紹介 

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コミュニケーションとは?

コミュニケーションとは、お互いに考えや感情を伝え合うことです。言葉だけでなく、表情や声色、ジェスチャー、ちょっとした仕草なども、コミュニケーションに含まれます。

communication(コミュニケーション)」は、「情報伝達」や「意思伝達」を意味する英単語ですが、語源はラテン語の「communis(コミュニス)」です。「共通の」「共有する」などの意味があります。

つまりコミュニケーションとは、一方通行の「伝達」ではなく、双方向に「伝え合う」ことであり、相手に受け取ってもらうことで、初めて成り立つものなのです。

「なんだかあの人とはコミュニケーションがうまく取れない」と感じた経験が、みなさん一度はあるのではないでしょうか。コミュニケーションがうまくいかない理由は、「伝え合う」という点が欠落して、一方通行の「伝達」になってしまっているからなのです。

また、同じ内容であっても、話せる人と話せない人がいませんか? 同様に、同じ内容であっても、素直に受け取れる人と受け取れない人もいるでしょう。コミュニケーションを円滑にするためには、個人のスキルを高めることも大切ですが、まずは相手と信頼関係を築くことが重要となるのです。

コミュニケーションの必要性とは

現代社会を生き抜いていくために、コミュニケーションは不可欠です。コミュニケーションには、「良好な人間関係を構築する」「意思疎通を図る」「相互理解を深める」という、3つの役割があります。それぞれについて、詳しく見てみましょう。

良好な人間関係を構築する

どんなに優秀で、高い知識やスキルを持っている人であっても、一人で生きていける人はいません。例えば、1つの業務には、多くの人や部門がかかわっています。成果を最大化するには、コミュニケーションを取り、連携しながら進めていかなければなりません。

また、人は他者とのかかわりが不足すると、孤独や不安を感じるようになります。良好な人間関係を築いていくことは、精神的な健康を維持していくうえでも大切なのです。

意思疎通を図る

自分のなかにある考えや感情は、言葉に出したり、紙に書いたり、表情やジェスチャーなど、何らかの形で発信しなければ、相手に伝えることはできません。これらが不十分だと、間違った内容で相手に伝わってしまうこともあるでしょう。

ビジネスの基本である「報告・連絡・相談」を正確に行ううえでも、意思の疎通を図ることは大切です。コミュニケーションにより、すれ違いや勘違いを防ぐことができます。

相互理解を深める

相互理解とは、他者と考え方や価値観、強みなどを、お互いに理解し合うことです。部下・同僚・上司、取引先など、ビジネスにおいては、どのような関係でも相互理解が必要となります。相互理解は、良好な人間関係を築くための第一歩なのです。

相互理解を深めるには、こちらの意見を正確に「伝える」だけでなく、「訊く」と「聴く」ができるかどうかが、重要なポイントとなります。これらについて、詳しくは後述します。

職場でのコミュニケーションのポイント

「同僚となんとなくうまくいかない」「上司が恐くて意見を言えない」「商談をまとめられるか不安」など、職場におけるコミュニケーションに悩みを抱えている方は多いことでしょう。職場は、人生で多くの時間を過ごす場所ですので、できるだけ人間関係は円滑にしたいものです。ここからは、職場でのコミュニケーションの3つのポイントを紹介します。

自己開示をする

自己開示とは、相手に「自分はこんな人間です」と、ありのままをさらけ出して伝えることです。強みだけでなく、悩みや弱点、プライベートなことなども含めて開示します。

自己開示は、相手との距離を縮めたいときに効果的な方法です。ありのままの自分をさらけ出すことで、それに反応して相手も自分のことを話しやすくなります。これを、「自己開示の返報性」といいます。

しかし、自分の情報を開示すればするほど効果が得られるというわけではありません。「個人的な話は聞きたくない・言いたくない」と考える人もいますので、相手の反応を見ながら、適度に活用しましょう。

自分も相手も尊重する

考え方や価値観、仕事の進め方などは、人それぞれ違います。相手のことを尊重しながら、自分もしっかり主張する「相互尊重コミュニケーション」を意識することが大切です。

相手を頭ごなしに否定して自分を主張しすぎるタイプを「攻撃型」、相手を尊重して合わせすぎてしまうタイプを「受身型」として、例を見てみましょう。

例えば、忙しいときに同僚に話しかけられたとします。

  • 攻撃型:「今忙しいのが見てわからないのか?」などと、話しかけてきたことを批判する。
  • 受身型:「仕事したいから早く終わってほしい」と思いながらも、同僚の話につき合う
  • 相互尊重:「ごめん、今仕事が立て込んでいるから、お昼休みでも良い?」と提案する。

相互尊重コミュニケーションなら、同僚と良い関係を保ちつつ、自分もペースを守ることができます。

参考:【第1回】自分も相手も尊重する相互尊重コミュニケーション|言い方ひとつで変わる会話術|ハラスメントって言われた! 管理職の方|あかるい職場応援団職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト

話しやすい雰囲気をつくる

ネガティブな感情が表に出ている人には、なかなか話しかけにくいものです。感情が豊なことは良いことでもありますが、職場においては、ある程度自分の感情をコントロールし、話しかけやすい雰囲気をつくっておくことが大切です。

特に、部下を指導する立場にある人は、話しかけにくい雰囲気を出していると、部下が悩みを相談できなかったり、報告・連絡が遅れてしまったりして、業務に影響が出る可能性も考えられます。

コミュニケーション能力の構成要素

コミュニケーション能力とは、その名の通り、良好なコミュニケーションを取る能力のことです。コミュニケーション能力は、「聴く力」「訊く力」「伝える力」という3つの要素で構成されています。それぞれについて、詳しく見てみましょう。

聴く力

「聴く」とは、相手の話を注意深く、感情に寄り添いながら聴くことを意味します。ただ「聞く」のではなく、「関心を持っている」「理解しようとしている」という姿勢を、相手に示します。

例えば、話している相手のほうへ身体や顔を向ける、あいづちを打つ、視線を合わせるなどです。そうすることで、相手は緊張がほぐれて、本音や意見を話しやすくなります。

訊く力

「訊く」とは、相手に尋ねたり、質問したりすることです。相手の話を注意深く「聴く」ことで、興味や関心が持てたり、疑問が湧いてきたりすることがあるはずです。適切なタイミングで質問を投げかけることで、より相手のことを理解できます。このとき、一方的に質問ばかりするのではなく、併せて自己開示をしていくことで、相手の本心をより引き出せるでしょう。

また、ビジネスにおいては、わからないことは放置すべきではありません。的確な質問で理解を深めることが、成果につながります。

伝える力

「伝える」には、2種類あります。1つは、自分の考えや感情を、相手に言葉で正しく伝えることです。ビジネスにおいて、この能力は欠かせません。これができなければ、自社の商品・サービスをアピールすることや、報告・連絡・相談を正しく行うことも難しいでしょう。

もう1つは、表情や声色、ジェスチャーなどの、ちょっとした仕草です。先ほど紹介した「聴く力」に通ずる部分がありますが、「しっかりと聞いていますよ」という姿勢を、相手に示します。

コミュニケーション能力を身につける5つの方法

コミュニケーション能力は、生まれ持った性格が影響する部分も確かにありますが、日々の意識を少し変えるだけで、鍛えることができます。ここからは、コミュニケーション能力を養うための5つの方法を紹介します。

傾聴を身につける

傾聴とは、「聴く力」と「訊く力」のことです。傾聴は、以下の3種類に分けられます。

  • 受動的傾聴
    相手の話をしっかりと受け止め、真摯に聞くことです。相手の話しを遮らず、視線を合わせる、うなずきやあいづちを入れるなどしながら、話しやすい雰囲気をつくっていきます。
  • 反映的傾聴
    相手の話した内容を繰り返すことで、こちらが話を受け取ったことを伝える方法です。オウム返しのように相手の発した言葉を繰り返したり、内容を要約したりすることで、「理解」や「共感」を示すことができます。
  • 積極的傾聴
    適切なタイミングで質問を投げかけたり、言葉を挟んだりすることで、相手をより理解しようとする方法です。

積極的傾聴は、ある程度の経験やテクニックが必要となります。まず必要なのは、真摯に相手の話を受け止める姿勢です。受動的傾聴から、段階的に身につけていきましょう。

PREP法を取り入れる

PREP法とは、相手にわかりやすくこちらの考えや意見を伝えるための方法です。この方法では、①Point(結論)②Reason(理由)③Example(具体例)④Point(結論)の順に、話を組み立てていきます。

例えば、営業社員のパソコンを買い替えたい場合で考えてみましょう。

  • Point(結論):営業社員のパソコンを買い替えようと思っています。
  • Reason(理由):購入から〇年経過しており、動きが遅くなってきたためです。
  • Example(具体例):買い替えることで仕事がはかどり、効率がアップします。
  • Point(結論):このような理由から、営業社員のパソコンの買い替えを提案します。

報告書やメールなどにも役立ちますので、社会人として身につけておきたいテクニックです。

相手の立場で考える

テクニックももちろん必要ですが、相手を思いやり、相手の立場で考えるということが大切です。考え方や価値観、知識のレベルも、人によって違います。自分を基準に話を進めていくと、うまく伝わならなったり、相手が不快に感じてしまったりすることもあるかもしれません。

また、仕事に集中したいときや、ほかのことで頭がいっぱいになっているときなどに話しかけられると、イライラしてしまったり、話が頭に入ってこなかったりします。相手の立場で考えることで、話しかけるタイミングも、ある程度見極められるようになるでしょう。

共通点や類似点を活用する

人は、自分と共通点や類似点がある相手には、好感を抱きやすい傾向があります。「出身地が同じ」「学生時代に所属していた部活が同じ」などの理由で、相手に親近感を覚えた経験のある人も多いのではないでしょうか。

この性質を利用したテクニックが、「ラポールスキル」です。代表的なスキルとしては、「ミラーリング」と「ペーシング」が挙げられます。

  • ミラーリング:相手の表情や動きなど、目に見える部分を真似する
  • ペーシング:声量や声色、話すスピードなどを相手に合わせる

コミュニケーションの機会を増やす

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響により、日本でも随分テレワークが普及しました。テレワークにより、そもそもコミュニケーションの機会が減ってしまったという企業も多いのです。

コミュニケーション能力を身につけるには、前項までに紹介した4つの方法などを実践し、積み重ねていかなければなりません。そのためには、まずコミュニケーションの機会をつくる必要があります。テレワークによりコミュニケーションの機会が減ってしまっているなら、デジタルツールなどを活用し、オンラインでのコミュニケーションの機会を増やしてみてはいかがでしょうか。

コミュニケーションが苦手な人の特徴

コミュニケーションに苦手意識を持っている人も多いのではないでしょうか。また、自分では特別「苦手」だとは思っていなくても、周りから「あの人とはコミュニケーションを取りづらいな……」と思われている可能性もあります。ここからは、コミュニケーションが苦手な人に当てはまりやすい7つの特徴を紹介します。

自分の話ばかりしている

自分が話すことばかりに夢中になっていると、「この人は私の話を聞いてくれない」「もうあなたの話は聞きたくない」などと思われてしまうかもしれません。

自分の考えや意見を主張できることは強みでもありますが、コミュニケーションは「双方向」で行うものです。こちらが話をするときも、一方的に話続けるのではなく、「相手が理解できているか」「自分の話に興味を持ってくれているか」という点に意識を向けながら、相手に合わせて話すことが大切です。

相手が話しているときは、話を遮ったり、自分の話に置き換えたりせずに、相手の話に真摯に耳を傾け、信頼関係を築いていきましょう。

視線を合わせるのが苦手

人と話をするときに、「どこを見て話せばいいかわからない」と感じたことのある人も多いのではないでしょうか。非言語のコミュニケーションのなかでも、「アイコンタクト」は重要なコミュニケーション手段です。

新型コロナウイルス感染症の影響で、人と会話をするときにはマスクを着けていることが多くなっているなか、こちらの理解や共感を、しっかりと目で伝えることが大切です。

会話中ずっと相手の目を見つめる必要はありませんが、要所要所でアイコンタクトを取ることを意識してみましょう。

内向的である

内向的な人は、にぎやかで騒々しい場所を嫌い、一人を好む傾向があります。自分自身で「コミュニケーションが苦手だ」と思い込み、コミュニケーションを避けてしまっている人も多いのではないでしょうか。

「コミュニケーション能力が高い人」とは、外交的な人や、盛り上げ上手な人を指すのではありません。求められるスキルは立場や場面によっても変わりますが、「相手の話をしっかり聞ける」「言葉のキャッチボールができる」ことが重要です。まずはコミュニケーションとは何かを理解し、苦手意識を克服することから始めてみましょう。

自分から話しかけるのが苦手

「今話しかけて良いタイミングだろうか」「どうやって話しかけたらいいだろう」などと迷ってしまい、なかなか話しかけられなかった経験はありませんか?

相手を尊重することも大切ですが、ビジネスにおいては、報告・連絡・相談が遅れると、業務に影響が出ることも考えられます。相手だけでなく自分も尊重し、しっかりと意見を伝えましょう。

プライドが高い

「プライドが邪魔をして、相手の意見やアドバイスを素直に受け入れられない」。そんな人もいるのではないでしょうか。もちろん、プライドを持つことは悪いことではありませんが、高すぎるプライドは自分自身を苦しめるかもしれません。

他者からの評価ばかりを気にするのではなく、自分のネガティブな部分を受け入れ、自分で自分を認めてあげることも大切です。高すぎるプライドから解放されることで余裕が生まれ、他者とのコミュニケーションの改善につながります。

きちんと謝れない

謝らなければならないことがあるとき、「すみません」や「申し訳ありません」の一言は、きちんと言えていますか? いくら反省の態度を示していたとしても、この一言がなければ相手に伝わらないこともあります。

謝罪の場面だけでなく、「ありがとうございました」と言われたら「どういたしまして」や「恐れ入ります」など、一言リアクションを添えることで、心地よい空気をつくることができます。

自己主張が強すぎる

これは、先ほど紹介した「攻撃型」のタイプです。相手のことは否定し、自分の意見ばかりを主張していませんか? 「私は〇〇だから。」「普通は〇〇でしょ?」「〇〇なんてあり得ない!」などが口癖になっているようであれば、「攻撃型」になっている可能性がありますので、注意しましょう。

コミュニケーションにまず大切なのは、信頼関係です。相手を尊重する気持ちが、良いコミュニケーションの土台になります。

コミュニケーションが苦手な人の対処法

コミュニケーションが苦手であることは、決して悪いことではありませんが、ビジネスにおいては、やはりコミュニケーション能力が求められる場面が多くなります。ここからは、コミュニケーションが苦手な人がまず実践したい、7つの対処法を紹介します。

1.まずは相手の話を聞くこと

特に、ついつい自分の話ばかりをしてしまいがちな人は、「聞くこと」に重点を置いてみましょう。

先ほど、コミュニケーション能力を高める方法として「傾聴」を紹介しました。コミュニケーション能力が高い人は、「傾聴」が自然にできている人が多いです。最初は「傾聴」まではいかなくても、会話の配分を、相手が7割・自分が3割くらいになるように意識してみると良いでしょう。

2. 相手の話に共感する

先に述べたように、自分と共通点や類似点がある相手には、好感を抱きやすいといわれています。会話のなかで、共感できるポイントを探してみましょう。

ですが、考え方や価値観は人それぞれです。当然、共感できないときもあります。そのような場合は、即座に否定するのではなく、いったん相手の意見を受け止めたうえで、こちらの意見を明確に伝えるようにしましょう。

3. 会話は「キャッチボール」であることを意識する

コミュニケーションは、双方向に行われるものです。キャッチボールのように、受け取ったら返しましょう。「はい」「いいえ」などといった返事だけでなく、質問を投げかけることがポイントです。

会話のキャッチボールの例

例えば、同僚が「今日の商談、大変だったよ」と言って、営業先から会社に帰ってきたとします。このとき、「そうなんだ。お疲れ様。」だけでは、そこで会話は終わってしまいます。「何があったの?」「一緒に行った部下はどうだった?」などと質問をすることで、会話をどんどんつなげていくことができます。

4. 共通の話題を持ち出す

相手と共通点があれば、その話題を持ち出すことで、心理的な距離を縮めることができます。出身地、学生時代の部活、得意教科、趣味、好きな芸能人など、会話のなかで何か共通点を探してみましょう。

どうしても見つからない場合は、共通点をつくるというのも1つの方法です。相手に「おすすめの〇〇」を尋ね、それを実行することで、「この間教えてもらった〇〇、やってみたよ」と、共通の話題をつくることができます。

5. 相手の話に興味・関心を示す

話しているのに相手が何もリアクションをしてくれなかったり、反応が薄かったりすると、「興味がないのだな」と感じてしまい、会話が途中で終わってしまいます。逆に、こちらの話に興味を持ってくれていることがわかると、どんどん話したくなるものです。

コミュニケーションを取るときに相手に与える影響は、言語が7%、聴覚が38%、視覚が55の割合だともいわれています(メラビアンの法則)。

言葉だけでなく、身体や顔の向き、視線、ジェスチャーなどの非言語のコミュニケーションで、相手の話に興味・関心があることを伝えるよう意識しましょう。

6. わからないことは質問する

わからないことをそのままにしておくと、周囲に迷惑をかけてしまったり、後々トラブルになってしまったりすることがあります。しかし、上司が忙しそうにしているときなどは、なかなか質問するタイミングが難しいものです。上司に質問をするときは、いきなり質問をするのではなく、「今お時間よろしいでしょうか?」と、まず都合を伺いましょう。それから、あらかじめ質問内容をメモなどにまとめておき、できるだけ簡潔に質問することがポイントです。

7. 自然な笑顔の練習をする

先ほど紹介した「メラビアンの法則」からもわかる通り、コミュニケーションは非言語の部分が与える影響が大きいのです。笑顔で接するだけで、印象を大きく変えることができます。鏡に向かって、笑顔の練習をしてみましょう。

コミュニケーションが苦手な人が気を付けるべき5つのこと

コミュニケーションが苦手な人が、無意識のうちにやってしまいがちな5のことを紹介します。前項の対処法を実践することと合わせて、以下のような言動をしないように、日頃から意識をしてみてください。

話の腰を折らない

「話の腰を折る」とは、相手の話を遮ることをいいます。頭に浮かんだそのままの勢いで話し始めるのではなく、発言する前に一呼吸置く癖をつけてみましょう。

共感できない話でも、最後まで聞くことで共感できる部分が見つかることもあります。まずは、相手の話を真摯に聞く姿勢が大切です。

「上の空」にならない

人の話を聞きながら、頭のなかでは違うことを考えてしまうことを、「ブロッキング」といいます。これには、いくつかのタイプがあります。例えば、以下のような場合です。

  • 話が長いと感じている
  • 話の先が予想できるので先取りして言いたくなっている
  • 「自分にもそんなことがあったな」と、過去のことを思い出している

頭のなかでブロッキングが始まったら、相手のほうを向く、頭のなかで場面を想像してみる、質問を考えながら聞くなどして、相手の話に集中しなおしましょう。

自分の話にすり替えない

コミュニケーションが苦手な人の対処法として「共通の話題を持ち出す」ことを挙げましたが、相手の話を奪うことはしてはいけません。相手の話を最後まで聞いたうえで、「そういえば私もこんなことがあったよ」と切り出すと、盛り上げることができるでしょう。

終わった話は蒸し返さない

次の話題に移っているのに、話し足りなかったからと前の話題を蒸し返すと、会話のリズムが乱れて、場の空気が悪くなってしまうことがあります。

また、過去の失敗を蒸し返すのも良くありません。失敗を振り返り反省することはとても大切なことですが、何度も蒸し返すと、相手が傷ついてしまう恐れがあります。

距離感に気を付ける

相手と親しくなりたいあまり、いきなり下の名前で呼んだり、友人のように話しかけたりすると、不快に感じられる場合もあります。相手との距離感には注意しましょう。

また、物理的に距離を保つことも大切です。パーソナルスペースの目安は、家族・恋人なら0~45㎝、友人・親しい同僚なら45㎝~1.2m、上司・取引先なら1.23.5mといわれています。

企業にとってのコミュニケーションのメリットとは

働き方改革やテレワークの普及により、職場におけるコミュニケーション(社内コミュニケーション)が、改めて重要視されています。これを活性化させることで、企業にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか。

業務が効率化される

1つの業務には、複数の社員・部門がかかわっています。社内コミュニケーションが良好だと、お互いの状況を把握しやすくなり、齟齬(そご)が生じたときにも早期に解決することができるので、業務をスムーズに進めていけるでしょう。

また、社員個人が持つナレッジやノウハウを活発に共有することで、業務の標準化(社内の誰もがその業務を行えるようにすること)も可能になります。

生産性が向上する

社内コミュニケーションが良好だと、目標やビジョンの共有、役割分担、連絡や報告もスムーズに行えるようになり、それぞれが自分の業務に取り組みやすくなるので、社員一人ひとりの生産性が向上します。その結果、モチベーションの向上も期待できるでしょう。

また、コミュニケーションにより取引先や顧客と良い関係が築ければ、商談や交渉も成立しやすくなります。

職場の雰囲気が明るくなる

社員同士が気軽なコミュニケーションを取れる職場は、雰囲気も明るくなります。提案や意見も発言しやすくなり、そこから新たなアイデアが生まれることもあるかもしれません。

人には、仲間に入れてほしい・受け入れられたいという「社会的欲求」と、他者に認められたい・評価されたいという「承認欲求」があります。この2つの欲求は、社員のモチベーションにもつながるものです。これらを満たすためには、明るく働きやすい職場づくりが欠かせません。

離職率が低下する

ツナグ働き方研究所が2019年に発表した「2019年若者の離職意向に関する調査」によると、入社3年以内ですでに「辞めることを決めた・すでに辞めた」人は20.0%、「辞めるかどうか迷っている(退職予備軍)」人は47.3%でした。退職予備軍の若い人たちが最も辞めたいと思った理由は、「人間関係がよくない」(31.5%)というものです。社員に定着してもらうためには、人間関係が重要なポイントであることがわかります。

社内コミュニケーションが活発だと、人間関係が良好になり、社員は悩みを相談しやすくなります。また、社員のちょっとした変化にもいち早く気づくことができるようになるので、ハラスメントの防止やメンタルヘルスケアにもつながります。

参考:【2019年若者の離職意向に関する調査】入社3年以内、『退職予備軍』は約5割 – ツナグ働き方研究所

企業イメージが向上する

社内コミュニケーションを活性化させることにより、社内に良い影響がもたらされると、業務の質も向上します。取引先や顧客に対しても、より良い提案やサービスを提供できるようになり、企業イメージが向上します。

前項で、メリットの1つとして「離職率の低下」を挙げましたが、社員の定着率が上がることで、1つの取引先や顧客に対して、同じ社員を長く担当としてつけることができます。結果、企業に対する信頼度も高くなるでしょう。

また、近年は少子高齢化による労働人口の減少で、人材不足に悩む企業も増えています。働きやすい職場環境をアピールすれば、採用の場面でも有利に働くでしょう。

研修を実施してコミュニケーション能力を鍛えよう!

社員のコミュニケーション能力は、研修で鍛えることができます。立場によっても求められるスキルは異なるので、階層ごとに分けて実施しましょう。

  • 新入社員向け
    新入社員は、まずビジネスシーンで求められるコミュニケーションの基礎を学びます。報告・連絡・相談のスキルや、聞き方・話し方、人間関係の構築の仕方などです。
  • 中堅社員向け
    中堅社員は、より効果的なコミュニケーションの取り方を学びます。質問話法、効果的なコミュニケーションの取り方、チームのメンバーとしてのリーダーシップなどです。
  • 管理職向け
    管理職は、部下を育てるためのコミュニケーションを学びます。褒め方や叱り方、モチベーションを管理する方法、他者同士のコミュニケーションを手助けする方法などです。

コミュニケーション活性化につながるサービス4選

コミュニケーション能力を鍛えるための研修には、ゲームを取り入れることがおすすめです。ゲームを取り入れることで、自然なコミュニケーションが生まれ、チームとしての一体感も高まります。

株式会社IKUSA(以下、IKUSA)は、コミュニケーション能力の向上につながる、さまざまなサービスを提供しています。社員のコミュニケーション能力を「楽しく」鍛えるために、研修に導入してみてはいかがでしょうか。コミュニケーション研修におすすめのサービスを、4つ紹介します。

チャンバラ合戦

チャンバラ合戦は、スポンジ製の刀を使って相手の腕についた命(カラーボール)を落とし合うという、戦国をテーマにしたアクティビティです。

体を動かすことで緊張がほぐれ、自然なコミュニケーションが生まれます。性別・年齢・国籍も関係なく楽しめるので、縦と横の両方のコミュニケーション活性化につながります。

ゲームは、複数のチームに分かれて行います。「軍議(作戦会議)」と「合戦」を繰り返していくなかで、楽しみながらPDCAサイクルを学ぶこともできます。チームビルディングにもおすすめです。

チャンバラ合戦の資料を見てみる

謎解き脱出ゲーム

謎解き脱出ゲームは、チームで協力して謎を解き、ある空間からの脱出を目指すゲームです。屋内型のゲームで、机と椅子さえあればどこでも実施できます。チームに分かれて行いますが、勝ち負けはありません。自分のチームの脱出に集中できるので、チームのコミュニケーション活性化に最適です。

「ある会議しつからの脱出」「燃える本能寺からの脱出」「ある魔法学校からの脱出」など、ストーリーは複数あり、研修内容や目的に応じてカスタマイズも可能です。役になり切ったスタッフの演出で、世界観に没入しながら謎解きを楽しめます。

謎解き脱出ゲームの資料を見てみる

PDCA研修「ロケットPDCAチャレンジ」

ロケットPDCAチャレンジ」は、IKUSAのPDCA研修の中で行う、「低コストで遠くまで飛ぶロケット」をチームで協力してつくるアクティビティです。

「資金」を集めて「部品」を購入し、それを組み合わせロケットを作って発射テストを行い、結果を踏まえて「部品」の組み合わせを改善していくという流れを繰り返す中で、楽しみながら自然とPDCAサイクルを実践できるようになっていきます。アクティビティ後にはPDCAサイクルに関する講義を受け、振り返りを行っていただくため、学んだことが定着しやすいことも特徴です。

また、チームで話し合う場面が多いため、コミュニケーション能力の向上にもつながります

ロケットPDCAチャレンジの資料を見てみる

合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINE

合意形成研修 コンセンサスゲーム ONLINEは、Zoomなどのビデオチャットツールを使った、オンラインで行うコンセンサスゲームです。あるシチュエーションにおけるアイテムの優先順位を、チームで話し合って決めていきます。

円滑なコミュニケーションのためには、まずはお互いの考え方や価値観を理解しあうことが大切です。このゲームでは、個人ワーク→グループワークの流れを通して、相互理解を深めることができます。また、チーム全員で協力せざるを得ない構造となっているので、コミュニケーションが苦手な方も、自然に意見交換ができるでしょう。

プログラムは2種類で、ベーシックな「ジャングルサバイバル」と、防災も学べる「帰宅困難サバイバル」があります。

合意形成コンセンサスゲームONLINEの資料を見てみる

まとめ

職種や階層によっても求められるレベルは違いますが、コミュニケーション能力は、現代社会を生きるすべての人に求められる能力といえます。コミュニケーションとは何かを理解し、「聴く力」「訊く力」「伝える力」の3つの要素を、日々のなかで意識するだけでも変わってくるでしょう。

職場においては、社員のコミュニケーション能力を高めることが、業務の効率化、生産性の向上、離職率の低下などにつながります。社内コミュニケーション活性化を図るとともに、研修などを通して、社員のコミュニケーション能力の向上に取り組んでいきましょう。

 

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あらたこまち

この記事を書いた人

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。
不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。
猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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