目次
日々の業務を円滑に進めていくためには、同期や同僚といった「ヨコ」のコミュニケーション、上司と部下といった「タテ」のコミュニケーションのそれぞれを活性化させることが重要です。
本記事では、社内コミュニケーションの課題や、活性化することで得られる効果、具体的な施策や企業事例を紹介します。あわせて、オンラインの社内コミュニケーションにおすすめのサービスも紹介します。
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社内コミュニケーションとは?
社内コミュニケーションとは、社員同士の情報交換、ノウハウの共有、日常の何気ない雑談などのことです。
良好な社内コミュニケーションは、企業の成長に欠かせません。社内コミュニケーションがうまく取れていない状態だと、目標や方向性のずれから対立が生まれてしまったり、社員がメンタルヘルス不調に陥ってしまったりする可能性があります。
近年は、働き方改革や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、日本でも随分テレワークが普及しました。テレワークには、ワーク・ライフ・バランスが取りやすい、オフィスコストを削減できるなどのメリットがある一方で、多くの企業が社内コミュニケーションの希薄化という課題に直面しており、コミュニケーションの重要性が改めて問われています。
社内コミュニケーションの課題
HR総研が実施した「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」の結果報告によると、7割以上の企業が、「自社の社内コミュニケーションに課題がある」と感じていることがわかりました。企業の規模別に見ると、大企業では「部門間」や「部署内のメンバー同士」、中小企業では「経営層と社員」の関係において、特にコミュニケーションの課題を感じているようです。
具体的には、例えば以下のような内容が挙げられています。
- 経営者が各部署に来ることが少なくなり、ちょっとした会話がなくなった
- 意思や方針が伝わらず、ただの「指示」になってしまう
- ほかの部門がどんな仕事をしているのかわからない
- テレワークのため、必要最低限のコミュニケーションしか取れていない
企業の規模や業種などによっても、社内コミュニケーションの課題はさまざまです。
コロナ禍におけるコミュニケーションの手段としては、メールやオンライン会議ツールを利用する企業が多いようですが、約4割の企業が、コロナ禍で社内コミュニケーションが「悪化している」と回答しているなど、オンラインのコミュニケーションの難しさを感じているようです。
参考:HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告 – HR総研
社内コミュニケーションを活性化させることで得られる効果
社内コミュニケーションを活性化させることにより、「業務効率」「社員のモチベーション」「企業イメージ」の3つが向上します。それぞれの効果について、詳しく解説します。
1.業務効率が向上する
1つの仕事には、複数の社員や部署がかかわっています。業務を円滑に進めていくためには、意思疎通や情報共有により、お互いの業務を把握することが重要です。こまめにコミュニケーションを取ることで、方針や業務の進め方にずれが生じた場合も、早期に気づき、修正できます。
また、ノウハウを共有することで、業務を標準化(※)することも可能になります。結果、業務が効率化し、生産性の向上も期待できるでしょう。
※業務標準化とは
業務の標準化とは、社内の誰が業務を行っても成果が出せるようにすることです。反対に、特定の社員しか業務を遂行できない状態や、品質に偏りが出るような状態を「業務の属人化」といいます。
2.社員のモチベーションが向上する
社内コミュニケーションは、社員のモチベーションの向上・維持においても重要です。意思疎通や情報共有が活発に行われていれば、一人ひとりが自身の仕事をスムーズにこなせるようになるため、ストレスが溜まりにくくなります。メンタルヘルスケアや、定着率の向上にも繋がるのです。
また、社員同士の会話が多く明るい雰囲気の職場であれば、自分の意見をいいやすくなります。社員同士の何気ない会話から、新たなアイデアが生まれることもあるかもしれません。
3.企業イメージが向上する
社内コミュニケーションを活性化させ、働きやすい職場環境をつくることは、企業イメージの向上に繋がります。コミュニケーションが活発で風通しの良い雰囲気の職場は、人材獲得力の強化にも繋がります。
実際に、株式会社学情が2022年3月卒業(修了)予定の学生・大学院生を対象に実施した調査によると、内定先の企業に入社を決めた理由として、23%が「人(人事や社員の人柄や雰囲気)」と回答しています。これは「携わる仕事内容」(29.4%)に次いで2番目に多く、昨年の同時期と比べて4.8ポイント増加しています。
社内コミュニケーションを活性化させるための施策8選
ここからは、社内コミュニケーションを活性化させるための、具体的な施策を8つ紹介します。
1.1on1ミーティング
1on1ミーディングとは、「上司と部下」の組み合わせで行う1対1のミーティングのことです。
従来の面談は、評価や目標管理を目的とし、年に数回のペースで行うものでした。また、コミュニケーションスタイルは、上司から部下への「一方通行」です。それに対して1on1ミーティングは、部下の成長や相互理解を目的に、比較的頻繁に実施されます。コミュニケーションスタイルは「双方向」で、話の内容も部下が話したいことを中心とします。
単なる指導や確認になってしまわないように、上司は「相手(部下)のための時間である」という意識で取り組むことが重要です、また、コーチングやフィードバックのスキルも必要となるでしょう。
2.メンター制度
メンター制度も、「上司と部下」「先輩と後輩」という組み合わせで行われる対話です。仕事の悩みやキャリアなどについて相談できる制度で、アドバイスをする側を「メンター」、される側を「メンティ」と呼びます。経験の浅い若手社員をメンティとし、そのメンティと年齢が近く、かつ業務上の利害関係のない他部署の社員がメンターとなることが一般的です。基本的には1対1で行われますが、複数のメンターがつくこともあります。
この制度を導入することで、メンティのモチベーションや定着率の向上といった効果のほか、メンターの成長のきっかけにもなるでしょう。
3.フリーアドレス制
フリーアドレス制とは、社員のデスクを固定せず、ノートパソコンなどを活用して、自由に仕事をする場所・席を選べるワークスタイルのことです。以前は、自席にデスクトップパソコンと固定電話というスタイルが一般的でしたが、ICT技術の進化により職場環境が大きく変化したこと、コロナ禍でソーシャルディスタンスの確保が求められていることなどから、フリーアドレス制を導入する企業が増えています。
社内コミュニケーションが活性化されるだけでなく、オフィスのスペースを有効活用できるという点もメリットとして挙げられます。一方、「誰がどこにいるのかわからなくなる」「荷物を持ち歩くのが大変」などのデメリットもあるため、導入の際は十分に検討する必要があります。
4.社内イベント
社内イベントとは、新年会・忘年会や社内運動会、社員旅行などの、業務外に行われるさまざまな企画のことです。入社式や研修会など、業務の一環として行われるものを含んで使われる場合もあります。
社員同士が交流する機会をつくることで、チームワークの強化やモチベーションの向上といった効果が期待できます。
株式会社JTBコミュニケーションデザインが2016年に実施した「社内イベントに関するコミュニケーション調査」では、58%の人が、社内イベントが「人と直接会って話ができるいい機会」であると回答しています。多くの人が、社内イベントにより「コミュニケーションが増えた」「他の部門と仕事がしやすくなった」「仕事に対するモチベーションが上がった」などの効果を感じているようです。
参考:社内イベントに関するコミュニケーション調査|Jtb Communication Design(PDF)
5.社内報
社内報とは、企業の考え方や理念など、社員に伝えたいことを発信するためのツールのことです。以前は紙媒体が一般的でしたが、最近ではメルマガやSNS、アプリなどを活用する企業も増えています。
社内報の目的は企業によってさまざまですが、例えば、以下のようなものがあります。
- 経営理念やビジョンを浸透させる
- 部門間の連携・ノウハウの共有
- 外部情報の共有(業界トレンド、自社製品の評価など)
- 愛社精神の醸成・従業員の相互理解
規模の大きな企業であるほど、他部署でどんな人が働き、どんな仕事をしているのかを把握することが難しくなります。社内報でこのような情報を知ることで、他部署の人と会話が生まれることもあるでしょう。
6.社内サークル・部活動
同じ趣味や特技を持つ社員同士が集まり、社内サークルや部活動を立ち上げる企業もあります。他部署の社員や上司、経営層とは、普段なかなか接する機会がない企業も多いでしょう。趣味やスポーツを通してなら、部署や役職にかかわらずコミュニケーションが取りやすく、また、運動不足解消やストレス発散になるというメリットもあります。
野球やゴルフなどのスポーツのほかにも、サバゲー(サバイバルゲーム)部、料理部、日本酒研究部などの、珍しい部活動を立ち上げている企業もあります。
7.リフレッシュスペースの設置
集中力を維持するためには、適度な休憩が大切ですが、自席では気持ちが切り替わらないという人も多いのではないでしょうか。リフレッシュスペースとは、その名の通り、社員が仕事の疲れをリフレッシュするための場所です。靴を脱いで横になれる畳スペースや仮眠スペースを設けたり、リフレッシュできるような照明やBGMを導入したり、カフェスペースや、軽い運動ができる設備を導入している企業もあります。
リフレッシュスペースを設けることで、集中力がアップし、生産性の向上も期待できるでしょう。また、このような空間があることで、社員同士の何気ない雑談も生まれやすくなるため、社内コミュニケーションの活性化に繋がります。
8.社内SNS
TwitterやFacebook、ビジネス専用のChatworkやSlackなどのSNSは電話やメールよりも気軽にコミュニケーションが取れること、スピーディーな情報共有ができることが魅力です。また、社内報とは違い、社員全員が情報を発信できます。
ただ、社内SNSにも「SNS疲れ」のリスクがあります。導入の際は、送信可能時間や返信の目安時間などのルールを明確にして、SNSの利用による精神的・身体的な疲労を低減するための工夫をしましょう。
社内コミュニケーション活性化に取り組む企業事例
実際に、ユニークな施策で社内コミュニケーション活性化に取り組む企業の事例を紹介します。
カルビー株式会社「オフィスダーツ」
カルビー株式会社は、2010年の本社移転に伴い、フリーアドレス制を全面導入しました。しかし、ただのフリーアドレス制ではありません。カルビー株式会社の「オフィスダーツ」は、その日に座る席をダーツシステムがランダムに自動決定するという、非常にユニークなフリーアドレス制なのです。
広いオフィスは3つのエリアに分かれており、座席タイプは間仕切りなしの「コミュニケーション」席、低い間仕切りのある「ソロ」席、窓側の「集中」席の3タイプがあります。完全にランダムというわけではなく、その日の仕事内容に合わせてエリアと座席タイプを選択することが可能です。席は最大5時間という上限が設けられており、丸1日同じ席にはいられないシステムになっています。
会長、社長、執行役員にも個室がないため、一般社員と執行役員が並んで仕事をするという驚きの光景も見られるそうです。
参考:毎日ダーツで席が変わる カルビーのオフィスに潜入!:日経xwoman
株式会社エン・ジャパン「バーチャルオフィス」
株式会社エン・ジャパンは、2020年春にテレワークを導入しました。以降、孤独感や孤立感から心身の不調を訴える社員が増加し、上司はマネジメントにも苦戦していました。こうした課題を解決するために導入したのが、プラットフォーム「oVice(オヴィス)」を使った「バーチャルオフィス」です。
バーチャルオフィスでは、アバターの距離が近づくと会話ができます。現実の世界同様に、近づいて会話に加わったり、聞かれたくない会話は別室で行ったりすることも可能なのです。
Zoomなどのオンライン会議ツールでは、新人社員が「見て、聞いて学ぶ」ことができないという課題がありました。バーチャルオフィスなら、先輩の会話や電話対応をそばで聞いて学ぶことができます。
また、距離の離れた地方の拠点を同じフロアにすることで、事業所間のコミュニケーションも活発になりました。
参考:エン・ジャパンがオフィスを半分解約、「バーチャル本社」が生まれた理由 – INTERNET Watch
社内コミュニケーション活性化におすすめのサービス
テレワークが普及したことで、多くの企業で、社内コミュニケーションの希薄化が課題となっています。
そんな課題を解決しようと、オンラインでさまざまな社内イベントや、チームビルディングを実施する企業が増えています。オンラインでの社内コミュニケーション活性化に役立つ、おすすめのサービスを紹介します。
PDCA研修「ロケットPDCAチャレンジ」
IKUSAの「PDCA研修」は、アクティビティと講義をセットにすることで、楽しみながら実践的な知識を身につけられるのが特徴の研修です。
その中で行う「ロケットPDCAチャレンジ」は、できるだけ低コストで遠くまで飛ぶロケットを作るゲームで、「部品」を購入して組み合わせ、ロケットを作り、発射テストを行うという流れを繰り返し行います。発射テストの結果を受け、より低いコストで遠くまで飛ぶロケットにするには部品をどのように組み合わせたらよいかチームで考え、再びロケットを作り直すことで、PDCAサイクルを自然と身に付けることができます。
また、チームで話し合う場面が多いため、コミュニケーションの活性化も期待できます。
合意形成研修コンセンサスゲームONLINE
オンラインでのチームビルディングにおすすめなのが、株式会社IKUSAの「合意形成研修コンセンサスゲームONLINE」です。あるシチュエーションにおけるアイテムの優先順位を、複数人で話し合って決めていくというゲームで、Zoomなどのビデオチャットツールを使って行います。
チームビルディングに最適な「ジャングルサバイバル」、防災について学べる内容が盛り込まれた「帰宅困難サバイバル」といったプランが用意されており、こだわりの世界観や演出で没入感を味わいながら、論理的思考力、協調性、コミュニケーション力など楽しく学ぶことができます。
オンラインフードデリバリー
歓送迎会や忘年会、新年会などの「飲み会」をオンラインで開催することも多くなりました。そこでこだわりたいのが、食事です。
株式会社IKUSAの「オンラインフードデリバリー」は、自宅でプロが監修した料理が味わえる、企業専用のデリバリーサービスです。選べるメニューは10種類以上! ランチ向けのお手軽価格のプランから、まるで高級レストランにやってきたかのような贅沢なプランまで、幅広く用意されています。
さらに、オプションで謎解きなどのゲームを追加することも可能です。離れた場所にいても、同じ料理を食べながらゲームを通じて交流することで、コミュニケーションのきっかけが自然に生まれます。
まとめ
社内コミュニケーションを活性化させることで、業務効率、社員のモチベーション、企業イメージの向上といった効果が期待できます。逆に、社内コミュニケーションがうまくいっていない状態を放置すると、トラブルの発生や生産性の低下、メンタルヘルス不調による休職・退職など、さまざまなリスクが考えられます。
まずは、自社のコミュニケーションの課題を把握しましょう。社内コミュニケーションの課題は、企業の規模や業種、働き方によっても異なります。他企業の取り組みも参考に、自社の課題を解決する方法を考えてみてください。
謎解きコンシェルジュは、謎解きや推理ゲームなどのイベントを通して貴社の課題を解決します。チームビルディングができる室内型謎解き「謎解き脱出ゲーム」や周遊を促す「周遊型謎解きゲーム」など、選べるパッケージサービスは30種類以上。オリジナルイベント・研修のご相談も承っています。サービス一覧資料は下記より無料でダウンロードいただけます。
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